更新日:2024/02/19

デイサービスにおける自立支援

目的を見失わないことが大切

全体像を把握することが大切

デイサービスでは利用者1人ひとりの心身の状態や日常生活動作(ADL)、健康状態、生活環境などを踏まえて目標や支援方針を定めています。そのため、考え方やアプローチの仕方も1人ひとり異なります。
自立支援を行う際はまず、非効率ではありますがどの部分に問題があるのかを明らかにすることが大切ですよ。例えば、トイレに移動するのに介助が必要な高齢者をサポートする場合、トイレでの立ち上がりの状況や方向転換、手すりのつかまり方、着座の様子、かかった時間など現状を記録し、どこに問題点があるのかを検討します。
もし、トイレから立ち上がるのに介助が必要なのであればどうすれば立ち上がりやすくなるのかを考えていきますが、立ち上がるプロセスをさらに分解していくと、必要なサポートはお尻を持ち上げるだけ、あるいは手すりを握ってもらうだけで十分だ、と気づくことができます。ですが、これは自立支援の考え方に基づいているから気づけたことであって、意識していなければ単純に脇を持ち上げて介助していたかもしれませんね。
高齢者の残存機能を活かしつつ必要なサポートを行うためには、ADLの介護量を評価するFIMやバーセル指数などを用いて利用者の全体像を把握する必要があります。

デイサービスで行っている取り組み

日帰りで必要な介護や機能訓練などを行っているデイサービスは介護士だけでなく理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、針灸師など様々な職種の人たちが関わっています。職種によって考え方やアプローチの仕方が異なりますが、「筋力低下を防ぐ」というコンセプトは共通しています。そのコンセプトに基づいて単なる身体機能へのアプローチではなく、自立を支援する機能訓練を目指して取り組んでいます。
高齢者は活動力の低下や病気、障害などにより、ロコモティブシンドローム(筋肉や骨、関節などの運動器に障害が起こり、移動機能が低下した状態)やフレイル(虚弱)に陥りやすくなっています。自立した生活を送るためにも歩行能力を維持しなければなりませんが、運動機能が低下し歩行能力も落ちている人も少なくありません。そのため、ロコモティブシンドロームを予防する運動などを取り入れているところが多いようですね。

機能訓練の目的

機能訓練という言葉から筋力トレーニングなど身体的な側面がクローズアップされがちですが、デイサービスで行っている機能訓練は身体機能の向上ではなく、生活機能の維持・改善が目的です。自立支援は身体的な面だけでなく、精神的・社会的に安定した状態になるようにサポートすることなので、デイサービスでの機能訓練はとても重要な役割を担っているといえますね。

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